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ディアボロの試練 レクイエムの大迷宮クリア後、ホテルに現れる露伴に話しかけると入れるようになるダンジョン。 装備DISC、記憶DISC、ヤバイものが未識別。 持ち込めるのは今までの自分の経験だけ。 ディアボロの試練の名に恥じないダンジョン。 すべての試練を乗り越える、それが帝王。 ハイプリエステスは15~18Fで登場するが、 店では1~18Fまで登場するので注意。 またベイビィフェイスは25~35Fまで登場し、 店では19F~98Fまでとなっている。 20FにディアボロのDISCが必ず落ちている。 一度クリアすると、99Fに☆付の装備DISCが必ず落ちているようになる。 ダンジョン仕様 出現条件 レクイエムの大迷宮クリア 階層 99F 道具持ち込み × 通常モンスターハウス ○ 特殊モンスターハウス ○ 特殊フロア ○ ラクガキの罠 ○ オエコモバの罠 ○ 黒い絵の罠 ○ 敵キャラクター分布 1F ヤク中のゴロツキ 小汚い浮浪者 ジョセフ(4部) エコーズの卵 ドノヴァン 2F ヤク中のゴロツキ 小汚い浮浪者 ジョセフ(4部) エコーズの卵 ドノヴァン ヌケサク 3F,4F タワー・オブ・グレー ブルりん ジョセフ(4部) エンポリオ ドノヴァン ヌケサク 5F タワー・オブ・グレー ブルりん エコーズACT1 エンポリオ ワンチェン ヌケサク 6F 運命の車輪 ラバーソウル エコーズACT1 エンポリオ ワンチェン 7F 運命の車輪 ラバーソウル エコーズACT2 エボニーデビルの人形 ワンチェン ダイアーさん ジャック・ザ・リパー ハイウェイスター 8F 運命の車輪 ラバーソウル エコーズACT2 エボニーデビルの人形 ワンチェン ダイアーさん ジャック・ザ・リパー ハイウェイスター ハーヴェスト 9F 運命の車輪 ラバーソウル エコーズACT2 エボニーデビルの人形 ワンチェン ダイアーさん ジャック・ザ・リパー ハイウェイスター ハーヴェスト デス・13 10F ディオ・ブランドー ラバーソウル ラバーズ エボニーデビルの人形 リキエル ハーヴェスト デス・13 11F ディオ・ブランドー ジョリーン ラバーズ ペイジ プラント ジョーンズ ボーンナム リキエル ハーヴェスト デス・13 12F ディオ・ブランドー ジョリーン ラバーズ リキエル ジョセフ マンハッタントランファー メローネ 13,14F ジョナサン ジョリーン ラバーズ F・F リキエル ジョセフ マンハッタントランファー ドゥービー エルメェス メローネ 15F ジョナサン オインゴ ジャッジメント F・F ハイプリエステス マンハッタントランファー ドゥービー エルメェス 16F アクアネックレス エコーズACT3 ジャッジメント シュトロハイム ハイプリエステス マンハッタントランファー ドゥービー エルメェス グェス 17F アクアネックレス エコーズACT3 ジャッジメント シュトロハイム ジョルノ ハイプリエステス マンハッタントランファー ドゥービー グェス 18F アクアネックレス エコーズACT3 吉良の親父 シュトロハイム ジョルノ ハイプリエステス ゲブ神 億泰 19F アクアネックレス エコーズACT3 吉良の親父 エアロスミス ジョルノ ゲブ神 億泰 20F シアーハートアタック エコーズACT3 吉良の親父 エアロスミス 仗助 ホル・ホース ゲブ神 億泰 ワイアードのベック 21~23F シアーハートアタック エコーズACT3 エアロスミス 仗助 ホル・ホース ゲブ神 億泰 ワイアードのベック 24F オインゴ グリーン・ディ 由花子 シーザー リゾット 床屋のカーン アレッシー ブラフォード 25~26F ノトーリアスBIG ベイビィフェイス 由花子 シーザー リゾット 床屋のカーン アレッシー ブラフォード 27F ノトーリアスBIG ベイビィフェイス ストレイツォ チョコラータ リゾット 床屋のカーン アレッシー ブラフォード 28F ノトーリアスBIG ベイビィフェイス ストレイツォ チョコラータ リゾット 床屋のカーン アレッシー フーゴ ケンゾー 29F ノトーリアスBIG ベイビィフェイス ストレイツォ チョコラータ 虹村形兆 床屋のカーン アレッシー フーゴ ケンゾー タルカス ホルマジオ 30F ノトーリアスBIG ベイビィフェイス チョコラータ 虹村形兆 アレッシー フーゴ ケンゾー タルカス ホルマジオ 31~32F アヴドゥルさん ベイビィフェイス 康一 ブラック・サバス プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 フーゴ タルカス ホルマジオ 33F アヴドゥルさん ベイビィフェイス 康一 ブラック・サバス プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 フーゴ レッドホットチリペッパー 34F アヴドゥルさん ベイビィフェイス 康一 若ジョセフ プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 ブチャラティ レッドホットチリペッパー 35~36F アヴドゥルさん ペットショップ 若ジョセフ プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 ブチャラティ レッドホットチリペッパー 37F アヴドゥルさん ペットショップ ラング・ラングラー 若ジョセフ プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 ブチャラティ レッドホットチリペッパー 38~39F アヴドゥルさん ペットショップ ラング・ラングラー 若ジョセフ プロシュート兄貴 セッコ プッチ神父 ブチャラティ 吉良吉影 40~46F ハーヴェスト シアーハートアタック DIO ジョセフ(3部) プッチ神父 禁煙中ホル・ホース 吉良吉影 47~53F アヴドゥルさん ウエストウッド看守 花京院 ピアスを開けたジョリーン (2012年3/16verから) トリッシュ ブラック・サバス ポルナレフ ラバーソウル 54~56F アナスイ ウェザー マライア 川尻浩作 サンタナ ワンチェン ジャック・ザ・リパー ドゥービー ワイアードのベック 57~59F アナスイ ウェザー マライア 川尻浩作 サンタナ ワンチェン ジャック・ザ・リパー ドゥービー ワイアードのベック ブラック・サバス 60~66F 康一act2!! プッツン由花子 ブチ切れた仗助 ブチ切れた億泰 承太郎(4部) 虫喰い 虫喰いでない 67~72F シュトロハイム シーザー 若ジョセフ リサリサ ワムウ エシディシ カーズ 73~74F シュトロハイム シーザー 若ジョセフ リサリサ ワムウ エシディシ カーズ サーレー 75~79F マンハッタントランファー リゾット 禁煙中ホル・ホース スポーツマックス C-MOON ミスタ サーレー 80~83F マックイィーン ヴァニラ・アイス 退院した花京院 アヌビスポルナレフ ストレイ・キャット ミスタ 成長した吉良 ギアッチョ 84~86F マックイィーン ヴァニラ・アイス 退院した花京院 アヌビスポルナレフ ストレイ・キャット 成長した吉良 ギアッチョ 87~89F マックイィーン ヴァニラ・アイス 退院した花京院 アヌビスポルナレフ ストレイ・キャット 記憶が戻ったウェザー 成長した吉良 ギアッチョ 90~98F 虫喰い エンポリオ(酸素) クリーム 最高にハイなDIO 承太郎(3部) ザ・ニュー神父 究極カーズ サーレー 昇り調子の大柳賢 99F アナスイ お母さんヤギ ウンガロ(主) 階層別攻略 1-2F ハートが緑色に塗り潰されている卵はACT1入り、避けた方が無難。倒して稼ぐ事もできるがACT2に成長するリスクもある。 店があっても装備なし低Lvではハイプリに殴られて即死の危険がある。裸で最大23ダメージほど受ける。 lv3だと一発耐える事が出来るが運が悪いとLv3でも死ぬ危険性はある 3-5F ブルりんが登場する。装備なしLv3で殴り合うのは苦しいので3階前にLv4まで上げておくと安心。 ちなみにボインゴで予約していない場合、自然にモンスターハウスが出るのは4階から。 いわゆる低層特殊MHへの対抗策(あるいは覚悟)は3階の階段を降りるまでに考えておいた方がいいかも。 6-9F 敵が強くなる。この階までに装備が出ないと厳しい。中でもエボニーデビルでLvの上がったリパーは危険。 ハーヴェストも登場するが食料的に難しい段階。あくまでも余裕がある場合のみ稼ごう。 10-15F 10Fからリキエル登場。盲目にされると不慮の事故が怖いので見かけ次第射殺するのが無難。 ジョナサンは非常に強いので、あるならばハーミットパープルを能力装備してビリっとくるのを防ごう。 16-19F 15、16Fはエルメェスとハイプリエステスが同時登場するので増殖稼ぎが狙える。 17Fからはジョルノに注意。ただし食糧不足ならばいらないアイテムで蛙を作らせることも視野に入れるといい。 20-23F シアーハートアタックはコッチヲミロ状態にしてからハンドに付け替えて殴る、ドヒュウの罠を踏んでぶつかる、などでアイテムを使わなくても倒せる。 アイテムドロップ率は極低で経験値も少なめなので、装備に余裕があるなら爆破してしまうのもいい。 全部にACT2を撃つのは勿体ないので節約できるところで上手に節約していきたい。 仗助とのコンビは凶悪なので位置関係を調節して仗助から倒すこと。 24-30F ここら辺から難敵が増えてくる。死が見える状況になる前に、アイテムは早めの使用を。 中でもMHでのリゾット複数体には厳重注意。多いと1ターンに3割~半分ほど持って行かれる事も珍しくない。 ゾンビ馬や波紋のツボのキープは勿論のこと、回復が追いつかない場合用にワープ系もあると良い。 またベイビィフェイスは結構攻撃力が高いのでアイテムに近づく前には必ずHPの確認を。 31-39F ブ男ことアヴドゥルさんが登場する。特殊攻撃はイエテン発動かマジ赤能力装備で防げる。 ないなら銭を投げながら通路を進んだり、チリペマントラ発動などでできるだけ消し炭を避けよう。 旨みは少ない階層なので修正値が高いならさっさと降りてしまうのもベネ。 40-46F 2度目のハーヴェスト階にして試練最大の稼ぎ階層。今後はいやらしい敵ばかりなのでできるだけ粘りたい。 部屋に入るなりDIOが寝ジョセフ殴る→ハイなDIO化して時止め→無駄無駄再起不能の即死コンボが怖い。 対策としては入口ピストルズ、マントラ発動、ガイルやエンプレスや神砂で起こす、など。 クラフトやウェザー能力がない場合、禁煙ホルホースのダメージも馬鹿にならない。ラバーズで早めに対処したい。 47-53F アヴドゥルさんとブラックサバスが再登場する。40~46Fで溜め込んだ射撃やアイテムをフル活用しよう。 看守もなかなか厄介。特に掴まれた状態で看守の後ろにジョリーンがいるという状況になると詰みかねないので注意。 新規追加されたピアスを開けたジョリーンは体力が53あり自己回復で50回復する。殴りだけでは泥仕合になりかねないので、状態異常にして倒すと良い。 54-59F 骨があってスパイスガール能力が防御にないならアナスイ対策で床置きするといい。 その際、落とし穴に落ちないためにタワーオブグレーは装備すること。 憎き肉片はイエテンのほか、ダイバーダウン、クラッシュなどの障害物を中継した攻撃でもくっつかない。 高Lvサンタナは非常に攻撃力が高いためラバーズや爆弾で処理しよう。 川尻浩作はおいしいがドロップ率が高いわけではない。アイテムを使いすぎないように。 60-66F 4部階。試練最大の脅威ともいえる虫喰いが出てくる。マントラチリペなど感知アイテムを発動した上で即降りを強く推奨。 対策もないまま下手に欲を出して稼ごうとするとどんどん溶かされて10近く防御値が減ることもありうる。 倍速敵が2種もいるので通路を走ると追いつかれて先制されることもしばしば。できれば歩こう。 67-74F 2部階。波紋効果の恩恵がとても大きいのであれば積極的に使おう。 エシディシは部屋内床アイテムも焼いてくるのが厄介。 MHでダラダラ戦っていると中のアイテムをどんどん炭にされてしまうので注意。 長引きそうなら通路におびき出して戦おう。 75-79F 射撃ゾーン。出会い頭にCMOON裏返し→ピストルズで即死がいつでもありうる。 CMOONかストーンフリーがあるなら装備しておこう。ないならチリペやマントラを使いつつさっさと降りた方がいい。 固定ダメージ敵が非常に多いので防御が高くても波紋のツボなどの全回復アイテムは何回分か取っておきたい。 80-89F あるならばギアッチョ対策にホルス神装備は絶対。イエテン発動やホワルバ能力装備もいい。 倍速なので殴る→凍らせる、で動けないままハメが成立する。数ターン続くとかなり危険。 成長吉良は鈍足にして倒す。残りHPを計算してお金で倒しきるのもアリ。 対策がなくどうしても殴りあうとバイツァさせてしまう場合は無視して降りてしまおう。 90-98F 敵が非常に強い。ここのみ背景色が固定になっている。 倍速敵が多く究極カーズやクリームもいる為、マントラは発動しておきたい。 防御50程度あれば殴り合いも可能だが、敵のHPが軒並み高く時間がかかる。 修正値を奪ってくる敵も2種いるのでいちいち付き合わずさっさと降りた方がいいだろう。 自由人の狂想曲(99F) 最下層にしてボス階。逃げ回りながら召喚するウンガロの倒し方は色々あるが 1.「部屋内全ての敵の動きを(一時的でも)止められる」アイテムを使って接近しタコ殴り 2.強力な全体発動をひたすら連発し続け召喚敵もろともに削り殺す 主にこのどちらかになるので、プロシュート兄貴のディスクは是が非でも1枚持ち込みたい。 1の場合は召喚敵に横槍を入れられないように工夫すると手早く済む。 具体的にはハンドで掘った壁穴にマンミラで入れ替わってウンガロを入れてそこで殴る、 あるいはGEの花と地形で囲んで周りから殴られないようにする、など。 2の場合はウンガロのHPが500という事を覚えておくこと。プロシュート+ヘイズでも5~7発必要になる。
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朝、先に目を覚ましたのは当然、ディアボロであった。 彼は不眠不休で24時間ダンジョンに潜り続ける事ができるのである。睡眠の必要性はあまり無い。 そして、ディアボロがまずした事は――――――――― (ハーミットパープルのDISC!周辺感知!) ざわざわざわと、ディアボロの手から、得体の知れない触手のような茨が伸びて行く。 そして伸び切ったと思った瞬間、その茨は消え、代わりにディアボロの頭には周辺の詳細な地図が浮かんできた。 「ふん……部屋の大きさから考えて、食堂はあっちか… ここは……ハーヴェストの感知では……大量のアイテムが入ってるようだな…武器庫か?」 とか何とか言っていたその時。 グウゥゥゥッ 『お腹が減ってきた……』 又しても、ディアボロの頭に何処からか声が聞こえて来た。 「チッ」 舌打ちをするディアボロ。 まだ少し余裕があるとは言えモタモタしていられる程では無いと感じる。 ディアボロはルイズを見た。幸せそうに眠っている。 昨晩、下着を洗濯しろと言われた事をディアボロは思い出したが ルイズが脱ぎ捨てた下着は今現在ナイルの川底である。 (まあ、どうしようもないな) 腹いせに自分がやった事を適当に考えながら、安眠中のルイズを放って、部屋から出るディアボロ。 ――と、隣のドアが開き、中からエロい女が現れた。 何処と無く痴女っぽく見える。 「あら?どちら様?」 「…………」 「あっ!?ルイズが召喚したって平民の変態なのかしら?へぇー・・・・・・本当に人間なのねぇ」 感心したようにディアボロを見る痴女だったが、根底にはどこか小バカにしたような態度があった。 ディアボロ自身も何処か女の事が気に入らなかった。微妙に身構えている。 彼の中で1,2を争うほど嫌いな敵に入っている、ブ男と死んでも脳みそだけで動く化物を何故か思い出すからだ。 「ねえあなた、名前は?それぐらいあるでしょう?」 「……ディアボロだ」 「私はキュルケ、そしてこの子が私の可愛い使い魔、フレイムよ」 痴女・・・・・・キュルケの背後からのそのそと現れたのは尻尾に火が点いた巨大な蜥蜴だった。 『消し炭にしてくれるわッ!』『レッドバインド!』『くらってくたばれ『怪焔王』の流法!』 それを見たディアボロは、大嫌いな敵の言葉を思い出し、反射的に攻撃しかけた。 (DISCがある・・・私には防御手段がある・・・・・・殺す必要は無い) トラウマと化した記憶を思い出しながらも、自分を何とか落ち着かせるディアボロ。 「火竜山脈のサラマンダー、好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」 キュルケが何か言っている。 だが、攻撃しないように必死で自分を抑えているディアボロには届いていない。 (フーハーフーハー)「あ、ああ。そうだな」 生返事をするディアボロを笑いながら、繁々と見つめるキュルケ。 「それにしても……その髪を直してちゃんとした服を着れば、結構良い感じになるんじゃないのアナタ?」 誰かの笑い声でルイズは目を覚ました。 欠伸を噛み殺しながらベッドから抜け出て、顔を洗い服を着替える。 着替え終わってから、床に落ちている毛布を見た 「あれ?居ない?」 そこで、自分が平民の変態を召喚した事を思い出して憂鬱となる。 「はぁ………あの平民の変態どこ行ったのかしら?」 彼女の疑問に答えるようにドアの外から笑い声が聞こえる。 ディアボロが誰かと話しでもしてるんだろうか?ルイズは疑問のままドアを開けた。 そして見た。 彼女の目にはディアボロがキュルケと楽しそうに話し合っているように映った。 ルイズは自分の沸点が臨界を突破したのを感じた。 まるで瞬間湯沸し機である。 「キュルケ!私の使い魔と何してんの!?」 「あら?おはようルイズ」 キュルケがルイズの顔を見ながら微笑む。 割と小バカにした態度で。 ルイズはディアボロを見た。何故かルイズの目には心なしかホッとしたような顔に見える。 「あ、あんた、キュルケと何してんのよ?」 「お前には関係無い話しだ」 「だーかーらー!お前って言うな!ルイズ様かご主人様って呼びなさいよね!」 「プッ」 吹き出したのはキュルケだ。 「な、なによ?」 「いや、ねぇ。アンタ達って割とお似合いのコンビよねぇと思ってさ。 じゃあお先に失礼するわ、使い魔さんもがんばってね」 手を振りながら立ち去るキュルケをルイズは睨んでいた。 今にもハンカチを噛み締めそうなぐらいギリギリしている。 「プンプン!朝から不愉快だわ!ディアボロ!これからキュルケには絶対近づいちゃ駄目だからね!これはご主人様からの命令よ!」 「それより……そろそろ朝食の時間のようだが」 「え?ああ!?そうね!着いて来なさい!」 トリステイン魔法学院の食堂は敷地内で一番背の高い真ん中の本塔にあった。 そこへ歩く途中に、ルイズはディアボロに使い魔と言う名の奴隷だという自覚を持たせるため話をする。 「いい?あなたは私の使い魔なんだから、 私より早く目を覚まして、私が寝坊しないようちゃんと起こしなさいよ! それから、あんたがいるって忘れてたから、自分で着替えちゃったじゃない」 「……………」 「ねえ、聞いてるのディアボロ?」 「……………」 「ねぇったら!私の使い魔なんだから話ぐらい聞きなさいよ!」 「……………」 ご主人様を無視し続けるディアボロの態度に、ルイズは再度カチンと来た。 さて、問題のディアボロだが、彼はルイズと話をする余裕は一欠片も存在していなかった。 グウゥゥゥッ 腹の音と共に聞こえる何処からかの声。 『ハラペコで目が回ってきた……』 (マズイマズイマズイマズイ!早く食堂に行かなければ!) 持っているDISCを使えば何とかなる。が、ディアボロは勿体無い精神を徹底すると決めている。 それ故、彼は急いで食堂に向かう必要があった。 割と余裕無しで急いで歩いているディアボロを見ながら、主従関係をしっかり教え込む算段をルイズは立てる。 どっちが上で下か。それを教えるためには手っ取り早く朝食の待遇を――――― トリステイン魔法学院の食堂『アルヴィーズ』。 百人は楽に座れそうなほどアホのように長いテーブルが三つも並んでいる。 ルイズの説明によれば、2年生は真ん中のテーブルで食事をとるらしい。 朝っぱらからワインまである。未成年なのに、まあ、ファンタジー世界では朝からグビグビ飲んでいてもオカシクは無いだろうが。 「なかなかだな」 遠目からでも分かるほど上機嫌になったディアボロを見て、ルイズは胸の内で嘲笑する。 この平民の変態は貴族と同じ食事ができると思っている。そして腹を十二分に空かせているようだ。 (ふふふ、せいぜい盛り上がれば良いわ) 席に着いたルイズ。ディアボロはその隣に座ったが、ルイズの手が床を指し示した。 ルイズの指の先を辿ると皿が一枚。 やたら小さな肉の破片が浮いたスープと皿の端っこに硬そうなパンが二つあるだけ。 (うふふふふ、さあ悔しそうな顔をしてご主人様に刃向かった事を後悔しなさい!) ほくそ笑むルイズ、かなり根性が悪い。 しかし、そこで、予想外の声が聞こえた。 「さすがは貴族の料理……美味いな」 「ヘ?…………ナヌッ!?」 ディアボロの満足そうな声に振り向いたルイズは驚愕した。 (た、確か…私が視線を外したのは5秒程度だったはずなのに!?) ルイズの目の前にあった料理が全部平らげられていた。 残っているのは綺麗になった皿だけ。 「ななななな、何したのディアボロ!?」 摩訶不思議な事態に混乱し、ディアボロに詰め寄るルイズ。 彼女は知らなかった。 目の前の男は、壁ぐらいの大きさの巨大なピザを1秒で完食できる早食いができると言う事を。 ………まあ、知っていたからと言ってもルイズはどうしようもなかったが。 「目の前の料理を食べただけだが?私は外で待っているぞ」 軽やかにルイズの問いかけを避け、悠々と外に歩いて行くディアボロ。 序列と言う物を朝食で教えてやる目論見はあっさりご破算になった。 ルイズは今更のように鳴り出したお腹を抱えながら、ディアボロの背中を殺気が篭った目で見送った。 「危ない所だった…」 食堂から出たディアボロは自然に流れ出した冷や汗を拭って安堵の息を突く。 ついさっき、彼はある意味絶体絶命だった。 ルイズの隣に座る直前、3度目の腹の音が聞こえて来たからだ! グウゥゥゥッ 『駄目だ! もう倒れそうだ!』 『早く…何か食べないと…』 『飢え死にしてしまう!』 彼にとっては死刑宣告に等しい声が何処からか聞こえてきた。 最後まで聞いた後、ディアボロは次の行為の躊躇はしなかった。 瞬時に目の前の鶏肉を口に放りこみ、続く手でフルーツを掻っ攫って飲み込む。 そのまま無心で料理を食べ続けて、遂には完食したディアボロ。 その間5秒。異常な早食い力であった。 <<前話 目次 次話>>
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それから数日。 あの武器屋での口論はキュルケがデラックスな剣を買って、ディアボロにプレゼントした事で一応の決着をみせた そして、帰ってからデルフリンガーと話をしてみたディアボロだが。 問題のデルフリンガーは長年の間に色々な事を忘れているらしく、特に重要な事は聞けなかった。 (役に立たんな……本当にボーイⅡマンのDISCを持ってくるべきだった) 等とディアボロが思ったかどうかは定かではない そのまま、特に何事も無く、時間の流れに身を任せていた、が。 「暇だ……」 最初は見るもの聞くもの新しかったディアボロだが 数日も経つと、特に何も変わらない日常に飽きてきて、あのホテルから続くダンジョンを懐かしく思っていた。 まあ、帰る方法は存在しているが、これから先の何が起こるか分からない事に期待しているディアボロは中々『帰還』の選択肢を選べない。 そんなわけで最近の彼は「暇だ」が口癖となっていた。 「…何か言った?」 耳聡く聞いたルイズがディアボロに尋ねたりしていたが 「で、ディアボロはどっちの剣を使うのかしら?」 翌日、日常の一部と化した程に、ルイズとキュルケが揉めていた。 その内容はルイズとキュルケの買った剣のどっちをディアボロ使うかというものだ。 武器としての剣は如何でも良いディアボロだが、二人の意地の張り合いは止まらなく、乱闘にまで発展しそうであった。 なんだかんだで決着が付かないルイズとキュルケ。 あまりにも暇なのでディアボロは、つい助け船を出してしまった。 「決闘でもしたらどうだ?」 「「それよ!」」 決闘の手段を話し合う二人を面白げにみつめるディアボロ 決闘内容が「ディアボロを吊るしてそのロープを魔法で切った方が勝ち」、と。 最終的に決まった時も面白げな顔を崩そうとしなかった。 そして、夜になりルイズとキュルケとタバサとディアボロの四人が中庭に集まり決闘を始めようとする。 ディアボロが落下した時にレビテーションを使うため、上空をタバサが乗ったシルフィードが飛んでいた。 この勝負は爆発を起こすしか能の無いルイズには圧倒的不利な状況、だが。 ロープで吊るされる前に、ディアボロは何事かをルイズに耳打ちした 「……………」 「え!?あんた正気!?」 「可笑しくは無い、要は考え方一つだ……どんな下っ端のカス能力でさえも、 考え方を変えて使う事が出来れば、王者を殺す武器にもなる」 「下っ端のカス能力言うな!」 「爆発を起こす事しか出来ないなら、それを最大限に有効活用しろ……分かったな?」 「ちょ、ちょっとディアボロ!」 それ以上何も言わずに無言でロープに吊るされるディアボロ 遥か上空に吊るされた男と、その下で杖を構えるアホ二名。 キュルケは開始前から自分の勝ちを確信していた。 自分の得意な『ファイヤーボール』は百発百中を誇る。 先手をルイズに選ばせて、2回もロープを切るチャンスを与えたのもその自信からであった。 (どうせ、ルイズが出来ることは爆発の衝撃でロープを切るぐらいでしょうね) ルイズが杖を構え魔法を使って―――― ドッグォ――z__ン ディアボロの後ろの壁が見事に爆発!ヒビが入った。 「ちゃんと狙え」 「う、う、煩いわね!心の準備ってものがあるでしょうよ!」 「危ないじゃないルイズ『ゼロ』なんだからもっと良く狙わないと」 「うるさい!」 そして、又ルイズが杖を振ろうとするのを見て、キュルケの顔に勝利の確信が浮かぶ。 だが―――――― ドッグォーz_ン 2度目の爆発は吊られているディアボロに直撃した! 「何してんのルイズ!?」 驚いたキュルケの声に反応する事無く、ルイズは上に向かって叫ぶ。 「タバサ!レビテーションお願い!」 上でシルフィードと共に待機していたタバサは、煙と共に落ちてくる物体にレビテーションをかけて、地面への激突を防ぐ。 「ルイズの勝ち」 タバサの宣告通り、その落ちて来た物体はディアボロ―――つまり、先にロープを切ったのはルイズだ。 ルイズは勝ち誇ろうとする前に、地面にゆっくりと降りてきたディアボロに走って行く。 「大丈夫なのディアボロ!」 「私の言う通りにすれば勝てただろう?」 爆発の直撃をくらった割には軽傷だが、決して無傷ではないディアボロ。 ――――――ディアボロがルイズに耳打ちした言葉とは「私ごと爆発させてロープを切れ」と言う無茶苦茶なものだった。 心配無いとの発言も聞いたが、まだルイズの心臓はバクバクと揺れ動いている。 敗者のキュルケはというと、地面に座り込んでハンカチをギリギリと噛み締めている。惨めだ そして―――いきなり地面が揺れた。 「「な、なに!?」」 「…………」 「ふん?」 そして四人は見た。 「ゴ、ゴーレム!?なんて大きさなの!」 30メイル程もあり、ギーシュのワルキューレを軽く超越した大きさだ。 慌てたルイズとキュルケがゴーレムの移動線上から逃れる。異常な逃げ足の速さである。 だが、一人だけ動かない者が居た。 「……これは『土』のトライアングルかスクウェアメイジなのか?」 取り敢えず何かするようなので、ゴーレムが何をするのかその場で見守る事にしたディアボロ。 平穏な生活を何日も続けていたせいか、かなり危機感が欠如している。 その場を動かないディアボロにルイズが叫ぶ。 「ディアボロ逃げて!」 しかし、ゴーレムに興味津々なディアボロには届いていない。 (爆発で足を怪我したの!?) そんな事は無い、が。ルイズは誤解している 我慢できなくなったのか、自分の危険を省みずルイズは走った。 「早く逃げなさいって言ってるでしょバカ!」 「私に構うな」 煩げにディアボロが手を振るがルイズは離れない。 そんな事をやっている間にゴーレムが近付き、二人の頭上に巨大な足を上げる。 「チッ……しょうがない」 自分一人だけなら何とかなるが――――傍にルイズが居る。 逃げるディアボロとルイズの後ろ、一瞬の差で踏み下されたゴーレムの足が破滅的な音を立てる。 そのまま逃げ続けるルイズとディアボロの後ろで、ゴーレムがヒビの入った壁を破壊し中に誰かが進入した。 しばらくしてから、その誰かは肩に乗り、ゴーレムを指揮してまた何処かへ戻って行く。 「ハァハァハァハァ……あの大きさだと……乗っているのは………トライアングルクラス以上のメイジね」 「トライアングルクラス以上はあんな事が出来るのか………凄いな」 そんな事を話している時、ディアボロはルイズがわざわざ、する必要の無い危険を侵した事を思い出した。 「構うなと言ったはずだが?」 「私の使い魔なんだから構うのは当然でしょ!」 「ふん?」 当たり前のように言い放つルイズを面白そうに見るディアボロ。 「あ、後!ご主人様かルイズ様って呼びなさいって言ってるでしょ!?そうしないとご飯抜きなんだからねっ!」 繁々とディアボロから見詰められて、顔を真っ赤にしながらもルイズは誤魔化すように叫んだ <<前話 目次 次話>>
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ヴェストリ広場に向かう途中、ルイズに出会ったディアボロ。 「ギーシュと決闘するって本当なのディアボロ!?」 ついさっき起きたギーシュの決闘発言を聞いたようだ 閉鎖した空間ならではの噂の広がりの早さは異常である。 「そうだが?」 「早くギーシュに謝りなさいよ!私からも許してくれるように言ってあげるから!」 ルイズはディアボロを心配そうに見つめてくる。 平民の変態でも自分の使い魔は心配なのだろう。 「それはできんな」 厨房の奴等に恩を売る機会なので拒否するディアボロ 「!?ギーシュはメイジなのよ!……平民のあんたならわかってるでしょ!? 平民はメイジに絶対に勝てないの。怪我して死んじゃうかもしれないのよ!?」 「自分の使い魔を信じるぐらいしたらどうだ?」 ルイズはこの現実を見てない使い魔にムッとした。 ディアボロがどんな妄想をしてるのか分からないが、貴族>平民の方程式を崩す事は出来ない。 それがルイズの中の常識だ。 「私の使い魔が怪我するのを黙って見てるわけにはいかないじゃない!」 「…………」 ディアボロは歩き出した。諦めないルイズがその後を追って行く。 「ちょっと!待ちなさいよディアボロ!」 普段人気のないヴェストリ広場は、話しを聞いた生徒達で溢れ返っていた。 「決闘だ!」 ギーシュが薔薇の造花を気障ったらしく掲げる。 その姿に周囲から歓声が上がる。 しかしそんな中、ルイズは不安げに黙りこくっていた。 その視線の先に居るディアボロは何時もの姿勢でギーシュを見詰めている。 (あのバカ……平民が貴族に勝てる訳ないって散々言ったのに) 「ふふふ、逃げずに来た事は褒めてあげるよ」 「逃げる必要が私には無いからな」 その言葉を聞いたギーシュのコメカミがヒクヒクと震える。 「平民の変態が貴族を馬鹿にしたらッ!どうなるか思い知らさせてやるよッ!」 ギーシュが薔薇の造花を振ると、花びらが一枚離れ金属製の女騎士が一体出現する。 「ゴーレム…『ワルキューレ』僕が青銅のギーシュと呼ばれている所以だッ! 僕はメイジ、だから魔法で戦う。文句は無いね?」 平民が自分に勝てる訳が無い……絶対的な勝利を確信して笑みを浮かべるギーシュ。 だが、それに反して 「それが『土』の魔法か」 あくまで自然体のディアボロ、何処と無く感心しているようにも見える。 それを見るギーシュのコメカミの血管がプッツンと切れ、次の瞬間。 「行けッ!ワルキューレ!」 ワルキューレが猛然と走って行く。 全身これ凶器なゴーレムが至近距離にまで接近してもディアボロは動かない。 だが、妙な事をディアボロがやっているのにギーシュは気付いた (あれは……素振り?) 拳を目の前に振っているディアボロ。 平民の変態がパニックになったと解釈して、取り敢えずワルキューレに死なない程度にぶん殴らせる命令を出す。 (殺されるつもりなのディアボロ!?) それを見ていたルイズが心の中で叫んだ。 そして、当のディアボロだが。 (C・F・Hが出ない?体力は全快なのに何故だ?) 体からもう一本の腕と炎の塊が飛び出してこないことに微妙に焦るディアボロ。 だが、数瞬でその原因を思い出す。 (そう言えばマルトーにDISCを渡したままだったな・・・・・・まあ良いだろう) ディアボロは、コック長に攻撃用DISCを外して預けたままなのであった。 ついでに、あのコック長は大の貴族嫌いだった事も思い出す。 (エニグマの紙から他のDISCを取り出して装備するのも駄目だな) 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い精神で、あのコック長は魔法も大嫌いだろうとディアボロは推測。 ここは平民らしく戦って、ギーシュに勝てば更なる好印象でウハウハだろうと思い。 紙から別のDISCを装備して戦う方とは別に、そのまま素手で戦う方を選択。 目の前に迫ったワルキューレに向かってディアボロは拳を構えた。 ボゴォ! ワルキューレの顔面にディアボロの拳が直撃! 『ディアボロはワルキューレに3のダメージ!』 何処からかの声がディアボロにだけ聞こえた 割と盛大な音を立ててるが、顔面が少し凹んだだけでワルキューレはまだまだ行動できる。 己の優勢は変わらないとばかりに、ギーシュは笑った ゴスッ! 『ワルキューレはディアボロに1のダメージ!』 お返しとばかりに、ディアボロの顔面に青銅の拳が突き刺ささった! (ディアボロ!?) それを見ていたルイズは悲鳴を上げかけた ギーシュが死なない程度にやらせているとは言え、常人なら数日は寝込む程の威力だ。 だが―――――― ボゴォ! 『ディアボロはワルキューレに2のダメージ! ワルキューレの拳をくらいながらディアボロは反撃した。 彼の拳は再度青銅のゴーレムの顔面に直撃する! ワルキューレも黙ってくらっているわけではない。 ゴスッ!『ディアボロはry ボゴォ!『ワルキューレはry ゴスッ!『ディアボロはry ボゴォ!『ワルキューレはry 面白くない顔をするギーシュ、心配そうなルイズ、歓声を上げながら見る生徒達に見守られながら殴り合いを続ける事、十数秒。 その殴り合いの最中、ワルキューレの拳が何回かディアボロの周囲に纏った砂に逸らされた、が。 一瞬の事、故に観衆は気付いていなかった。 ドサッ 先に地面に倒れたのはワルキューレだった。 原型を留めないぐらい頭部を拳で圧搾され、遂には粉砕された青銅の女騎士が豪快な音を立てる。 その瞬間、ディアボロにだけ聞こえる音と声がした。 『ワルキューレをやっつけた60の経験値を手に入れた』 続いてファンファーレの音が聞こえ――― 『ディアボロはレベル4に上がった!』 (ジャッジメントを思い出す、が……あのブ男土人形より力は無いが硬いな) 息も切らせず、冷静に思考しながらギーシュを見やる。 そんなディアボロも無傷ではない、そこら中に青銅の騎士の拳による痣が出来ている。 だが、彼は平気だった。 ディアボロは全身の9割9分9厘を棺桶の中に突っ込んでいても普通に動けるのである。 こんなのは傷の内に入らない。 一方、素手でワルキューレを倒されたギーシュだが。 余裕の表情は崩さないままディアボロに向かって叫ぶ。 「平民にしては中々タフなようだね……だけど!」 ギーシュは再び薔薇を振った。 六枚の花びらが舞い、さっきと同じようにワルキューレが現れた……六体も しかも、さっきは素手だったのに対し、今の六体のゴーレムは剣や槍や斧など様々な武器を持っている。 底意地の悪い笑みを浮かべながら、ディアボロに告げるギーシュ。 「この六体のワルキューレと戦うかな?それとも降参する気になったのかな? 土下座して!『貴族様に逆らった私が間違っていました!』と言えば許してあげるよ!」 そのギーシュの言葉に対し。 「…………」 ディアボロは無言で手招きするのみ。 そのまま六体のワルキューレがディアボロに突進しかける寸前――― ピンク色の髪をした女の子―――ルイズが間に割って入った。 「ディアボロ止めなさい!それ以上やったら本当に死んじゃうから!」 体中痣だらけのディアボロを割りと本気で心配している、が。 「退け」 ルイズの懇願を邪険に押しのけて、前に出るディアボロ そんな彼に、ギーシュは微笑みを浮かべながら説得に入る。 「ルイズの言う通りだ平民君 貴族には勝てないのが常識だよ。土下座しても恥ずかしくは無いさ」 ギーシュの言葉に体を震わせるディアボロ。 それを見たギーシュはもう一押しと判断。 「平民にしては貴族相手に良くやったよ。それを誇りに思えば良いさ」 更に体の震えが大きくなるディアボロ。そろそろ限界かな、とギーシュが思った瞬間。 「ップ……ハハハハハハハ!!!!!!」 突然、ディアボロが笑い出した。 「気、気でも狂ったのか!?」 ギーシュの困惑した声に、笑った時に出た目蓋の涙を拭いながら応えるディアボロ 「いや……何。お前があまりにも滑稽すぎてな……… 人形が私に敵わないとなれば、言葉による懐柔に出て… それも通じないと知れば、日頃からバカにしている『ゼロ』を頼るしかない。 さすがは、二股を掛ける事と、メイドを苛める事しか出来ないタンカスだな……ククク」 プッツーン あまりの嘲りにギーシュの血管が切れた。 そのまま無表情に薔薇を振ると。花びらが、一本の剣に変わって地面に突き刺さる。 「分かるかな?それは剣だ。平民達が貴族に一矢報いようと磨いた牙さ。 その剣を取りたまえ、君に名誉ある死を与えてあげるよ……」 地面に突き刺さった剣を引き抜くと(デザートの並んだトレイは食堂に置いてきたのでディアボロのアイテム欄には余裕があった!) ディアボロは剣とギーシュを交互に見詰めて、大袈裟に肩を竦める。 「なるほど!?平民に負けたのではなく、剣に負けたと言い訳するのか……立派な貴族様だ」 その言葉でギーシュは怒りの限界を突破した。 「ワルキューーレェェェェ!!!!!」 六体のゴーレムがディアボロに牙を剥く。 自分の勝利を確信するギーシュと、ギーシュの勝利を確信する観衆。 ルイズはディアボロを止める事が出来なかった事を悔やんでいたが。 ワルキューレの剣がディアボロの体を裂いた。続いたディアボロの剣がそのワルキューレの首を断つ。 ワルキューレの槍がディアボロの体に刺さった。続いたディアボロの剣がそのワルキューレの肩から腹を袈裟懸けに両断する。 ワルキューレの斧がディアボロの体へめり込んだ。続いたディアボロの剣がそのワルキューレの兜事、頭を粉砕する。 ワルキューレの―――ディアボロの――― 全身に傷を負いながらもディアボロは一体一体殲滅を続ける。 そして、六体のワルキューレが全滅!それは、10秒にも満たない短い出来事。 「な、な、な、な、なぁ!?」 「私の勝ちだな?」 唖然とするギーシュの前に立ってそう告げるディアボロ。 体中傷だらけだと言うのに、その声は負傷など感じていないかのように平静だ。 そんなディアボロを見たギーシュは (殺される!?) 失禁寸前のまま、尻餅を突いた体勢のまま後退りを始めようとしたが。 「造花から人形に剣か……面白い物を見せてくれたな、礼を言うぞギーシュ」 ディアボロの言葉に再び唖然とした。 「へ?」 予想外過ぎて、間が抜けた声を出すギーシュ。 「ぼ、ぼ、僕をこ、殺さないの?」 「必要が無い」 ディアボロはそう言うとそのまま、ギーシュに背を向けると歩き去って行く。 慌てて、その背中に叫ぶギーシュ。 「杖はまだ無事だ!僕が魔法を使ったらどうするんだ!?」 「その時は又遊んでやる・・・・・・その時までには新しい芸を身に付けて来い」 振り向かずに喋るディアボロ。何処と無く面白げだ 『遊んでやる』その言葉に、最初からディアボロの眼中に入っていなかった事を知ったギーシュ。 肩を落として呆然と呟く。 「負けた…僕が負けた……」 それを見たギーシュがうな垂れ 凍りついたようになっていたギャラリーが一斉に歓声を上げた。 キュルケもギャラリーの中ですっかり興奮しており。 無関心だったタバサも、ディアボロがワルキューレを殴り倒した辺りから注意深く見ていた、 そして、ディアボロは先程の行為を戦闘だとは感じていなかった。 厨房の連中に恩を売って、ついでにメイジをおちょくって、戦闘で使う魔法も見れたら良いな~ ぐらいにしか考えていない。 (造花から人形を出した事にも感心したが、剣も出せるとは面白いな あれでドットメイジなのだから、ラインやトライアングルやスクウェアはどれぐらいなのだろう……面白い。本当に面白い) そこで自分の手のルーンを見るディアボロ (剣を持った時、光って体が軽くなった感じがしたな……一体何なんだ?) つらつらとそんな事を考えていたディアボロだが、ルイズが駆け寄ってきた。 「なんだ?」 「この……馬鹿バカばかバカ馬鹿バカバカ馬鹿!」 寄ってくるなり、いきなりディアボロを罵ってくるルイズ。 「何でご主人様の命令を無視するのよ!?ちょっと間違ったら死んでたわよ!?」 「自分の使い魔を信じてみるものだろ?」 「質問に質問で返したら0点って教わらなかったの!?もう!医務室に行くわよ!」 「必要無い」 「何言ってんのよ!傷だらけじゃ……!?」 そこまで言ってルイズは気付いた。 ディアボロの体には傷が一つも付いてない事を。 目をゴシゴシと擦っても変わらない、服に血が付いているだけで無傷だ 「必要無いだろう?」 手を広げてルイズに無傷をアピールするディアボロだが。 ルイズは納得いかない。いくはずがない。 「あ、あ、あんたギーシュのゴーレムから刺されたり切られたりしてたわよね!?」 「それは目の錯覚だ」 そのままルイズを置いて食堂に向かって行くディアボロ 自分は何を召喚したのか――――ルイズは今更ながら疑問に思った。 戦績 ワルキューレ×7体撃破。420の経験値ゲット 『ディアボロはレベル7に上がった!』 <<前話 目次 次話>>
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(敵意を感じないな) ディアボロは少女や遠くに居る数十人の人間と、モンスター達から敵意を感じ取れないのに気付いた。 それは何の根拠も無しに、『敵では無い』とディアボロが何となく感じるだけ、だが。 初めて会った者が自分の敵か味方か、はたまた中立のポジションであるかを一瞬で見分ける事が出来る自分の感覚を信じてみるディアボロ。 ・・・・・・レクイエムをくらう前は、裏切り者に気付かないお茶目さんだったが。 まあ、取り敢えず、少女を殴り殺すのを止め、ディアボロは盲目が治るのを待つ事にした。 30秒が経過して閃光による盲目が治ったルイズとその他大勢。 「今、何か凄い光が見えなかったか?」 「俺も見えた、何だったんだ今の?」 とか、何とか遠くから声が聞こえるが。 ディアボロの目の前ではルイズとコルベールが何やら言葉による激しい舌戦を交わしている。 「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しを「駄目だ」 「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いた事「君が最初の例となれば良い」 「………「早くしたまえ」 愚図ったままで行動を起こさないルイズを見ながら、コルベールは疲れたように自分の肩を叩いた。 「ふぅ……ミス・ヴァリエール。君も分かっているだろう? 二年生に進級する際、君達は『使い魔』を召喚する。 それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む」 それぐらいは分かっていると頷くルイズを見ながら、コルベールは語調を一気に強めた。 「分かっているなら早く契約したまえ!使い魔召喚は神聖な儀式なのだ! 一度呼び出した『使い魔』が平民だからと言ってやり直しを認めるわけにはいかない! 平民の子供じゃあるまいし、見っとも無い駄々を捏ねるのは止めたまえ!!!!」 激しい叫びにビクッと震えるルイズと、その周りの生徒達。 コルベールはいきなりの血圧上昇に髪が更に薄くなった。 そのルイズとコルベールの会話をしっかり聞いていたディアボロは状況をやや理解した。 (ここはどうやらメルヘンやファンタジーな世界らしい) (目の前の子供の手によって、自分はホテルからここに来た) (周りの全員が行っているようであり、スタンド能力では無いようだ) (本来はドラゴンのようなモンスターが現れるようだが、あの子供は失敗したらしい) (召喚された者は、召喚した者の使い魔となる。と言う事か?) ディアボロは使い魔が何をする職業であるか具体的には知らない。 が、意味的にどんな事をするのかはだいたい想像できた。 (私はこの子供の使い魔になるのか?) ディアボロは目の前の子供を凝視する。 彼の目に、ルイズは生意気そうな顔をした女の子と映った。 碌な事が起きないと言う予知のような考えも出てくる。 だが、そこで疑問が浮かぶディアボロ。 (使い魔とは契約するらしいが、どんな事をするんだ?) ルイズは自分が召喚した平民を見た。 身長は180サントはあろうか、下半身はズボンだが上半身は女物の下着のみを着ている。 髪の所々に斑点が浮いていて、どうみても変態です、ありがとうございました。 チラと後ろを振り向くと、こちらを睨んで来るコルベールの顔。 ルイズは泣きたくなった、が。覚悟を決める。 契約する前に、コルベールが真剣に全力で気合を入れて禿て欲しいとルイズは念じた。 (ううう、自分が召喚したんだからやらなくちゃ) 少々背が高い変態の顔を見ながら、ルイズは少しジャンプして―――― 一瞬、その変体の口と口を重ね合わせた。 トン、とルイズは着地した。それはほんの一瞬の出来事。 (うううう、ファーストキスなのにぃぃぃ) 何が悲しくてこんな変態とやらねばならぬのか、泣きたくなるルイズ。 その変態はどんな顔をしているんだろうか?ちょっと気になったルイズはディアボロの顔を伺う。 (何よ!拍子抜けしたような顔てるんじゃないわよ!こんな美少女とキス出来たんだからちょっとは照れるぐらいしなさいよね!?) (これが契約か……期待外れだ) 異常な強風が吹いて、空からデカイ十字架みたいな物体が落ちてくるようなド派手なイベントを期待したディアボロだが。 実際には少女とのキスだけ。かなり拍子抜けする。 だが、次の瞬間、ディアボロは左手に焼き鏝を押されたような感覚を感じた 焼死を何度も経験しているディアボロに耐えられない程の熱ではないが、痛みに慣れている彼にも予想外の突然だった。 「何!?」 慌てて左手見てみると、そこには何かの文字が刻まれていた。 何事かと思索するディアボロの近くにコルベールがやって来て手に刻まれたルーンを見る。 「ふむ、珍しいルーンだな……じゃあみんな教室に戻るぞ」 そう言って彼は宙に浮いた、フライの魔法だ。 周りの生徒も同じようにフライを使い、城のような建物に飛んでいった。 「スタンドは…見えない。あれが魔法か…さすがはメルヘンでファンタジーな世界だな」 その不可思議な光景にディアボロは感嘆の声を挙げる。 「ルイズは飛んで行かないのか?」 「あいつの二つ名を忘れたのかよ?『ゼロ』のルイズは『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」 (フライ……空を飛ぶ魔法の名か?) そしてその魔法が使えないらしいルイズと二人きりでディアボロは残された。 「……あんた、何なのよ」 「何…と言われても困るが、まずはお前が何なのか説明しろ」 「あああ………もう!どこのド田舎から来たのか知らないけど、優しいご主人様が説明して上げるわよ! ここはかの有名なトリスティン魔法学院よ!」 ディアボロの聞いた事が無い名前だ 「ここはどこだ?」 「本当に物を知らないようね!トリスティンに決まってるじゃないの!」 どうやら、本当に本気で別世界らしい。 まあ、ディアボロが居たあのホテルも地球にあったのかどうか定かではないが 「あの禿は、この左手の文字を使い魔のルーンとか言ってたようだが?」 「そうよ!それこそあんたがこの私の使い魔になった証よ! つまり今日から私はあんたのご主人様よ、覚えておきなさい!」 少し嬉しそうな顔をしながら喋るルイズを不思議そうな目で見るディアボロ 「お前の名前は?」 「お前って言うな!私にはルイズ・ド・ラ・ヴァリエールって名前があるんだからね! 今から、ルイズ様かご主人様って呼びなさいよ!?」 こうして校舎まで戻った二人、ルイズはディアボロを残して教室へと入っていった。 その場に残されたディアボロは一人で考えていた。 (面白い……本当に面白い事になった) 皮肉では無く、本気でそう思っているディアボロ。 毎日毎日、ダンジョンに潜っては襲ってくる敵をしばき倒しまくる生活とは,変わった刺激がディアボロの精神に心地よく浸透している。 (問題は特に……いや、あったな) グウゥゥゥゥ ディアボロは腹が空いていた。今のディアボロは比喩や冗談で無く文字通りの意味で餓死する可能性がある。 (……問題を解決する道具はあるが) これから何が起こるか分からないので、節約する事を心がけているディアボロ なるべく動かないようにしながらそのまま授業が終わるまで待ち続けた。 そして授業を終えたルイズに連れられ、ディアボロは学生寮のルイズの自室に通される。 かなりの広さの部屋には、高級そうな置物が並んでいる。 そしてディアボロの頼みで、嫌そうな顔をしながらもルイズが持ってきたパンを食べながら、静かに夜空に登る二つの月を眺めていた。 「ねえ……えーっと、あんた名前なんだっけ?」 「ディアボロだ」 「ディアボロ。あんたの話って本当に本当なの?」 「嘘を突く必要が私には無いだろう」 「だ、だってさ、信じられないわよ。こことは別の世界って何?そんなの本当にあるの?」 「あの月が証拠だ」 「月が一個しかない世界なんて、聞いた事がない世界だわ。 ……嘘ついてる世界なんでしょう?何、変な意地張ってる世界なのよ変態」 「まあ、そう思ってるならそれで私は構わないが。な」 ディアボロの苦笑に憤慨するルイズ。 サモン・サーヴァントはこの世界の生き物を使い魔として呼び出すだけであり。 それ故にルイズは、ディアボロが別世界の住人とは信じていないようだ。 証拠の提出を求めたルイズだが、ディアボロは持ち物を見せない。 これでは信じろと言う方が無理である。 そこで、ディアボロが懐から何かを取り出すのを見る。 「何よ、食べ物を持ってるなら最初からそれ食べてなさいよ」 ディアボロが取り出したそれを頭に運ぶのを見て、ルイズは呆れたような顔で言った。 ディアボロは円盤状の食べ物(ルイズにはそう見える)を頭に運ぶ姿勢で固まったまま、ルイズを見た。 「これはDISCだ」 「へ?DISC?何処のド田舎の食べ物?」 それ以上言っても無駄だと判断したディアボロは一方的に話を打ち切る。 そのディアボロの姿勢にプンスカ怒るルイズ。 が、重要な事を聞くのを忘れていた事を思い出したディアボロは、手の中でDISCを弄くりながらルイズに幾つか尋ねた。 「ああ……お前の説明でこの世界の事はだいたい理解した。 一際熱心に説明してくれた貴族と平民の違いもな、それで聞きたい事がある」 「お前って言うな!ルイズ様かご主人様って呼びなさいよ!……で、何なのよ?」 「元の世界に帰る方法が、この世界に存在しているのか?」 「無いわ」 即答である。 ルイズ曰く、異なる世界をつなぐ魔法などない。 サモン・サーヴァントとは、この世界の生き物を使い魔として召喚するだけらしいのだ。 地球に帰る方法が無いと分かってもディアボロは落胆しなかった。 どうせ、死ねばあのホテルに戻れるだろうから、特に問題は無いと考えている。 そんな事より聞きたい事がもう二つあった。「それでだが、使い魔は何をする必要があるんだ?」 「使い魔の一番の役目は主人を守る事だけど……あんたには無理そうね しょうがないから、洗濯とか掃除とかやらせてあげるわ。さすがにあんたでも出来るでしょう?」 「ふん?」 YESの意味ともNOの意味とも取れないディアボロの一声。 だが、ルイズは勝手にYESと言ったと判断した。 「おやすみ、明日からキリキリ働きなさいよ」 「最後に一つ聞きたい」 最後に一つ、一番重要な事を聞こうとルイズに質問するディアボロ。 「………眠いから、話は明日にしてよ」 「私のベッドが何処にも無いようだが?」 「あそこに毛布があるわよ」 床に転がっている毛布を指差すルイズ。 その毛布はボロボロの穴だらけであり、かなり傷んでいる。 ディアボロの思考が一瞬停止した。 「……つまり、床で寝ろと言う事か?」 「その通りよ」 気軽にそう言ったルイズは、服のボタンを外し始めた。 毛布と床を眺めるのが忙しいディアボロはそれに気付いていないが。 着替え終わったルイズは、床に何かを投げ捨てた。 「それ、明日になったら洗濯しといて」 『それ』はレースのついたキャミソールに白いパンティであった。 ディアボロは呆れたような声や怒ったような声も出さない、ただ黙っている。 それを肯定として受け取ったルイズは満足気に微笑み、やわらかなベッドでグースカピースカ眠った。 予想を超えたルイズの傍若無人さには、理不尽に慣れたディアボロを困惑させていた。 このまま脱走して学園の外に出て行くか、寝ているルイズを殺害して憂さを晴らすか。 自殺してホテルに帰るか、『もう一つの手段』でホテルに帰るか悩んでいる。 だが、この世界を詳しく知らない事に思い当たるディアボロ。 「決めるのはその後で良いな……」 ルイズのパンティーとキャミソールの上に移動するディアボロ。 洗濯する気など最初から0である上に、持ち物が一杯の彼には拾う事がそもそも出来ない では、何をするのか?と言うと…… ディアボロは懐の紙から取り出した円盤状の物――――DISCを頭に突き刺した! どんな原理なのか、血も何も出ずに顔に吸い込まれるDISC. DISCがディアボロの顔に完全に吸い込まれた、そして、彼は床に落ちているルイズの下着を手に取ると…… ドシュ―――――z__________!!! そのまま思い切りぶん投げた! それは不可思議な光景だった…… ルイズのパンティとキャミソールが壁を透過して何処までも吹っ飛んでいく奇妙な光景。 そして、ディアボロの頭に何処からか声が聞こえて来た。 『ルイズの下着はナイルの川底に沈んだ。』 それに満足したディアボロは、毛布を使わずにその場で横になる。 彼はそこが冷たい洞窟の地面の上であっても普通に眠れるので、毛布の必要は無い。 ベッドが必要なのは気分の問題である。 そこで、ホモ二人にホテルのベッドが占領され続けていたのを思い出し、ちょっとブルーになるディアボロ。 瞬時に気を取り直すと、DISCを頭に挿したことにより聞こえてくる音楽に意識を落として ディアボロはそのまま眠りに付いた。 「フフフフ、Chaka kahn……中々良い音楽だ」 <<前話 目次 次話>>
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しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始めた。 キレた目をしているルイズもディアボロを連れて教室へ向かった。無言なのが怖い。 教室には、生徒達が召喚した様々な使い魔が居た。 しかし、教室の椅子は貴族の席であり、ディアボロが座る席など存在しない。 仕方なしに、ディアボロは教室の一番後ろに行き、壁を背に立ち続ける。 その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、 生徒達が一年生の時、学んだ魔法の基礎をおさらいさせる。 魔法には四大系統というものがある。 『火』『水』『土』『風』 そして失われた伝説の『虚無』 等の話はディアボロの興味を心地よく刺激しており。 それに、教師が石ころを真鍮に変えた時はさすがに目を剥いた。 (そう言えば…使い魔が選ばれる理由は…) 召喚された直後にU字禿教師が言っていた事を思い出す。 『…現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む・・・』 キュルケのサラマンダーはどう見ても『火』以外ありえない……ならばキュルケは『火』の系統なのだろう。 (どおりで嫌な感じがしたわけだ) とすると、あの教師の言う通りならば。 ここに召喚されている生物は、ほぼ全てが四系統の属性に分類されるはず。 (では……私は何系統なのだ?) 火・水・土・風・虚無。ディアボロの持ち物はほぼ全ての系統に当て嵌まっていて。どれか一つに分類する事が出来ない。 「ふむ」 ディアボロが考え込んでいる最中、教室が突然騒がしくなった。 その原因は、ルイズが前に出て錬金をやる事になったからである。 (……あれが何系統なのか判断できれば、私の系統も逆説的に分かるはずだ) ディアボロのちょっとした興味。 何系統として呼ばれたのか。ほんのちょっとした好奇心 だが、ルイズの一挙一動を見守るディアボロは、生徒達や使い魔達が机の下に入ったり、教室から飛び出たのを見えていなかった。 ルイズは石に向かって杖を振り―――― ドッゴオォン! 爆発が起きた。 反応が遅れたディアボロは、その爆発をまともに……くらわなかった。 起きた爆風は、ディアボロの体に到達する前に和らぎ。 散弾銃のような小石は体に接触する寸前、燃え尽きた。 ほんの掠り傷程度ですんだディアボロだが。 彼は呆然としていた。 「な、んだと?」 爆心地はルイズ。 それを見た彼は、記憶の中のトラウマの一つが浮かんできた 『何かのアイテムが爆弾になったかも…う~むどうだったかな……?自信がない…』 この後、ディアボロはルイズの二つ名を脳裏に刻み込む事となった。 ドット!ライン!トライアングル!スクウェア!そのランクの中で、 一番下のドットにすら及ばない、魔法は使えるが何時も爆発を起こすメイジ。 成功率ゼロ!だから『ゼロ』のルイズと呼ばれている事。 そして――メイジの実力は召喚される使い魔にも反映されるらしい事。 それを聞いたディアボロは、何故ルイズに召喚されたのか納得した (私も最初は無能だったからな) ディアボロは、奇妙なダンジョンに初めて潜った時の事を思い出した。 無装備状態で手探りしながら迷宮を進み、罠や敵の手、それに自分のちょっとしたミスで何回も何回も死んだ記憶。 …………それでも、遅々とした足取りの中で実力を着け、ダンジョンを制覇した誇らしい記憶。 (これからの成長に期待と言う事か) 授業終了後、ディアボロがキュルケからそのルイズの話を聞いていると、 噂をすれば影とばかりに、その本人が不機嫌ですと顔に書いてやってきた。 「ちょっと!私はキュルケに近付いちゃ駄目って言ったわよね!?」 「硬い事言わないでよルイズ、私はアンタの二つ名を懇切丁寧に説明して上げてただけだから」 「よ、余計な事しないで!こいつは私の使い魔!あんたは関係無いでしょ!」 自分の不名誉な二つ名が知られた事を知って、顔が赤くなるルイズ。 面白そうな顔でそれを見つめていたキュルケだが。 さすがに、飽きたのか颯爽とその場を離れて行った 「じゃあね、食事に遅れるから私はそろそろ行くわ」 そして残されたルイズは、いきなりディアボロの足に蹴りを入れた しかし、その一瞬、ディアボロの周囲に砂が集まって、ルイズの蹴りを明後日の方向に受け流した。 ズダン。 滑ったルイズは華麗に転倒した。 「…何をする?」 「うるさいッ!」 不思議そうに尋ねるディアボロに罵声を返すだけのルイズ。 頭に血が昇ったルイズは、さっきの砂が集まった異常な事には気付いていない。 何も無いところで滑って転んだと言う無様な記憶だけである。 そのまま、体の埃を払うと教室を出るルイズとディアボロ。 食堂への途中、ルイズはディアボロの表情の変化に気付いた。 含み笑いをしている。それがルイズの勘に更に障った。 「なに笑ってんのよ!」 「何も笑ってはいないが?」 「笑ってた!」 「ふん?……まあ、いい。話は変わるが… お前は昨日メイジの誇りを熱心に語ってくれていたな…… それでだが、自分が魔法を使えないのはどう思っているんだ?」 言葉に詰まるルイズ。 「魔法が使えない無能の癖に、お前が言う平民で変態の私から貴族として尊敬されると思っているのか?」 「私だって…私だって努力はしてるわよ!ディアボロ!あんた、ご飯抜きだからね!覚悟しときなさいよ!」 涙が滲む目を向けながらも、捨てゼリフを残すとそのまま目の前の食堂のドアに飛び込んで行った。 「さっきの言葉は流石に厳しかったか?」 ディアボロなりに発破をかけたつもりだが、ルイズは想像以上に痩せ我慢をしていたようだ。 そしてディアボロは、食堂に入らなくては昼食を食べられないという事に溜め息をついた。 このままだと餓死する。さりとて、DISCの無駄な消費は避けたいとディアボロが悩んでいる時。 「あの……どうかなさいました?」 声がかけられた。 振り向くと、そこには夜空に輝く無数の星と同じ数ある男のロマンの一つメイドさんの姿をした少女。 「何でもないが……」 「もしかして、貴方はミス・ヴァリエールの使い魔になったって噂の平民の変態の……」 平民の変態発言を軽くスルーするディアボロ。指摘してもどうにもならないって事もあるが。 「お前もメイジなのか?」 「いえいえ、私は違います。普通の平民です。 貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいてるんです」 普通のと言う所を強調して発言するメイド。 そこまでして、ディアボロと同じだと思われたくないのだろうか。 「…………」 「私はシエスタっていいます。貴方は?」 「ディアボロだ」 「そうですか…それで、ディアボロさん。 こんな所でどうしたんです? 本当に何もお困りでないんですか?」 シエスタの目を見るディアボロ 腹に一物を隠し持ってはいないようだ。純粋な親切心から彼に声をかけたのだろう。 (これは、昼食の代わりを用意してもらえるか?) 「昼食を抜かれてしまってな」 「まあ!それはお辛いでしょう、こちらにいらしてください」 ディアボロがこっちに来て初めて出会った貴族以外の人間。 シエスタの対応を見て、何となく利用できそうだと外道チックな事を考え始めていた。 <<前話 目次 次話>>
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ディアボロがシエスタに案内されたのは、食堂の裏にある厨房だった。 コックやメイド達が忙しそうに働く様はディアボロがレクイエムをくらう前に居た世界とあまり変わりはない。 コック長のマルトーに会うと、ディアボロとシエスタは事の次第を説明した。 厨房の隅で待っているディアボロに、シエスタはシチューを持ってきてくれた。 「貴族の方々にお出しする料理の余り物で作ったシチューですが……」 「ありがとう」 こっちに来て初めてのんびりできたディアボロ。 初めての精神休息。が、彼はあまりそれを必要だと感じ無い そしてシチューを一秒で平らげるディアボロ。 その姿を目を丸くして見ているシエスタとマルトー、あまりの早食いに驚いたようだ。 「美味いな…あのシェフの料理を思い出す」 「ディアボロさんは他の国からいらしたんですか?」 「……遠い所からな、いきなり召喚されただけだ」 「大変ですね……ここはどうですか?いい国ですよね?」 「まだ外に出た事が無いから何とも言えないが……すまない、もう十杯ぐらいお代わりを貰えるか?」 「ええ、いいですよ。でもどうしてご飯抜きにされちゃったんですか?」 「……ちょっと、機嫌が悪かっただけだろうな」 「それは災難ですわね」 「つまり、お前さんはその貴族の機嫌が悪いってだけで、食事を抜かれることになっちまったわけか!?」 「アレが悪いわけでもないが………」 「け! 勝手に人を使い魔にしやがった癖に何が罰だ! 魔法を使えるだけで偉いと思ってんのかあいつ等!」 シエスタとマルトーかなりディアボロに同情したようだった。 特にマルトーは大の貴族嫌いらしく、まだ怒りが覚めやらぬ様子だ。 シエスタとマルトーは可哀想な人を見る目でディアボロを見つめた。 又しても一秒で食べ終えたディアボロは、空になった皿をシエスタに返して二人に礼を言った。 「美味かった……ありがとう」 「それは良かったです。お腹が空いたら又来てください。 賄い食で良かったら、何時でもお出ししますから」 「ふむ…それはありがたい。だが、タダで食事をもらうわけにもいかない。 私に何か出来ることは無いか?」 取り敢えず、良い人っぷりを二人にアピールするために手伝いを願い出すディアボロ。 「良いって良いって!たくさん作るんだから、今更一人くらい増えたって大したこたない!」 そのマルトーの言葉に彼は首を振った。 (こう言う古い人間は、こうすれば好意を抱くはずだ) 計算高いディアボロ、かなりの策士である。 「融通の効かん奴だな。まあ、悪くはない」 マルトーは呆れながらもディアボロに好感を抱いたようだった。 正にディアボロの計算通りである。 「でしたら、デザートを運ぶのを手伝ってくれませんか?」 シエスタが提案する。 それにディアボロは頷きかけたが、重大な事に気付いた。 (アイテムが一杯で持てんな……差し障りの無い物だけここに置いて行くか) どうせ、誰も盗らないだろうと思うが念には念を入れるディアボロ。 「これを預かってもらえないだろうか?私の大切な物なのだ」 気付かれない様、装備している攻撃用に差込んでいたのDISCを一枚抜いて、マルトーに渡した。 「おう任せな!お前さんの物をギろうとする不届き者が居たら、包丁で成敗してやるよ!」 そのセリフにあるシェフから石鹸で撲殺された記憶を思いだしディアボロは苦笑いした そんなこんなで、ディアボロは今。 片手にデザートの並んだ銀のトレイを持ち、食堂に出ていた。 使用人の制服を薦められたが、ディアボロは着なかった、あの格好に何かの拘りがあるらしい。 デザートを貴族達に配るシエスタに付いて回る間、ディアボロは貴族達から視線を向けられていた。 「何であの平民の変態が居るんだ?」 「平民の変態の考える事なんて俺達には分からないよ」 「それも…そうかぁ?」 そして、ディアボロが配っている途中。 金髪で造花の薔薇をシャツに刺した気障ったらしい貴族が居た。 (髪を三連コロネにすれば、あの裏切り者に少し似るな) などと、ぼんやりと考えるディアボロ。 その似非ジョルノは周りの友人達と一緒に、誰と付き合っているか、という他愛も無い話に熱中している。 (子供の関心は、場所が違ってもあまり変わらないようだな) などと、相変わらずぼんやりと考えながらもディアボロはデザートを配る。 シエスタとディアボロがその集団に近づいて行くと、件の似非ジョルノのポケットから何かが転がり出た。 (小瓶か?) 拾おうとしたが、今のディアボロはデザートの並んだトレイを持っているので、アイテムが一杯!それ以上は持てない。 そのまま放置してディアボロはデザートを配り終えようとしたが。 似非ジョルノの周りの友人達が目敏く小瓶に気づいた。 「おやおや!?それはもしや!モンモランシーの作った香水じゃないかギーシュ!?」 「おお!そうだな友人よ!この特徴的な色合いは間違いない!彼女が専用に調合した香水だ!」 「つまり!つまり!ギーシュはモンモンと付き合っているのか!」 「いやいや!違うぞ友人よ!今ギーシュは下級生のケティと付き合っているはずだ!」 「違う違う!!黙れ!静かにしろ喋らないでくれ!」 似非ジョルノ…ギーシュと言う名前らしい。が、慌てて友人達の口を塞ごうとしたその時。 近くの席から茶色のマントをつけた少女が立ち上がり、ギーシュの席にやってきた。 青ざめながら振り向くギーシュ。 「ケ、ケ、ケティ。これ、これは違うんだ」 ケティと呼んだ少女は無表情で、弁解をしようとしたギーシュの頬を思いっきり殴った。 続いて巻き毛の少女がそれに続く、その少女をディアボロは憶えていた。 使い魔がカラフルな蛙だったのが印象に残っていたのだ。 (何時か、あの蛙を食べてみたいものだ……) と、考えているディアボロの視線の先で、消去法でモンモランシーと言う名前だろうその少女が。 「この嘘吐き!とっとと自殺して地獄に落ちてちょうだい!」 極めつけの絶縁宣言をして去っていく。 食堂に沈黙が流れた。 だが、ディアボロは何事もなかったようにデザートを配っている 「どうしてくれるんだ!? 君のせいで二人のレディの名誉に傷がついた!」 いきなりの罵声が聞こえた。 何事かと視線を声のした方に向けるディアボロ 「すみません!すみません!貴族様お許しください!」 「すみませんですんだら、貴族は要らないんだよ!」 何故かギーシュがシエスタに突っ掛かっている。 (どういうことだ?) 分けの判らない行動にディアボロは一瞬唖然としたが。 すぐに気を取り直して。 (面白い事になりそうだな) 取り敢えず、事の推移を見守る事にした。 怒るギーシュと、謝るシエスタ。 「メイドなんだから、気を効かせて拾ってくれても良いだろう!」 「ごめんなさい…貴族様」 何となしに騒動を見ているディアボロは理解した (つまり、強引に責任転嫁していると言う事か) 冷めた目でそれを見守るディアボロ。 自分の言葉で自身の感情をヒートアップさせているのか、どんどん言葉の調子が跳ね上がって行くギーシュ それに対して、シエスタは半泣きを通り越して、マジ泣きに入りそうであった そして、ギーシュが薔薇の造花の杖を出し構えた。 メイジが杖を出す時は魔法を使う時―――ディアボロは授業でそれを知った。 シエスタも知っていたのだろう、そして、これから自分に何をされるかという事も同時に知る事ができた。 その場で蹲り両手で頭を押さえるシエスタ。 この騒ぎに他の生徒達も集まっていたようだ。 しかし、誰もギーシュのアホな行為を止めようとしない、可哀相なシエスタを助けようともしない。 むしろ見世物を笑いながら見物しているような者達が大多数を占めている。 (私には関係無い、が……恩を売っておくのも良いな) 放置しようと一瞬思ったディアボロだが。 暴虐な貴族の手からシエスタを助ければ、厨房の奴等からかなりの好印象を受けるだろうと打算する。 更に、貴族嫌いのマルトーからは英雄扱いされて毎日豪勢な食事ができるはずだと確信している。 ディアボロはその思考をさっそく行動に移した。 シエスタは泣いていた。 少しだけ視線を上げたが、ギーシュが杖を振り上げていたのを見て再度目を閉じる だが、いくら時間が経っても何も起きない。 恐る恐るシエスタが目を開けると―――― 「そこで止めておけ」 「『ゼロ』のルイズが召喚した平民の変態君じゃないか……邪魔しないでくれたまえ!」 シエスタを守る形でギーシュの前に立つディアボロ 「メイドの泣く姿は、平民の変態君には刺激が強すぎのかい?」 嘲笑を浮かべるギーシュ。 それに対してもディアボロは涼しい顔をしている。 「ふん……便器に吐き出されたタンカスが喚くな。見苦しいぞ?」 その言葉に一瞬でプッツンきたギーシュ。 「いいだろう……いいだろう!まずは君に礼儀を教えてあげた方が良い様だッ!」 そのギーシュの言葉にディアボロは。 ギーシュがディアボロに向けた以上の物凄い嘲りの笑みを浮かべる。 「ククク……笑わせるな。タンカス以下のカスが、私にどんな礼儀を教えると言うんだ?」 「グヌヌヌヌ…!『決闘』だッ!ヴェストリ広場で待っている!準備ができたら来たまえ!逃げるなよ!」 そう言い残したギーシュと友人とその他大勢は大股で食堂を出て、広場の方向へ歩いて行った。 「あ、ありがとうございますディアボロさん!」 喜びの表情を浮かべるシエスタ。 だが、瞬時にさっきよりも暗い表情に切り替わる。 「ですが…関係の無い貴方に迷惑をかけられません……私が行って何とかしてきます」 悲壮な決意を浮かべるシエスタの肩に、優しく言い聞かせるように手を置くディアボロ。 これも吊橋効果を狙ったディアボロの計算である 「お前も災難だったな……それに無関係では無いぞ?あのカスはこの私と決闘したがっている。」 「でも!メイジと決闘をしたら死んじゃいますよ!?」 「何とかなる…心配はするな」 そう短く言い残すと、ディアボロは残された料理を平らげて(その間10秒)食堂を出て行った 朝のハミパDISC発動で学園の地図は頭に入っているディアボロ。彼の足に迷いは無かった。 <<前話 目次 次話>>